尿管結石症と診断されると、突然の激痛に驚かれる方も多いのではないでしょうか。この記事では、尿管結石症の疾患概念と養生について解説します。
尿管結石とは
尿路結石とは、腎臓~尿管~膀胱~尿道という尿の通り道にできる結石のことです。 腎臓で作られた結石が尿管に落ちて途中で詰まった状態を尿管結石症と呼びます。
主な症状と注意すべき発熱の危険性
- 激しい痛み: 結石が尿管を刺激したり尿の流れをせき止めることで生じます。腰背部~下腹部に感じることが多いです。
- 血尿: 結石が尿管の内膜を傷つけることで起こります。
- 発熱: 結石で尿管が詰まった部分に菌が入ると、尿路感染症(閉塞性腎盂腎炎)を併発することがあります。全身に細菌が回り重症化する危険があるため、発熱を伴う場合は直ちに受診してください。
結石の大きさと自然排石率
小さめの結石であれば、痛み止めを使いながら尿と一緒に自然に排出されるのを待つことが一般的です。
大きさと位置による自然排石率の違い
結石はサイズが小さいほど、また存在場所が膀胱に近いほど排石しやすくなります。
- 5mm未満の結石: 50〜90%以上の確率で自然排石が期待できます。
- 6mm以上の結石: 自然排石率は大きく低下し、10mmを超えると自然に落ちることはほとんどありません。
結石が長く詰まったままだと、腎臓に尿が溜まって機能が低下する「水腎症」を引き起こすリスクがあります。
再発予防
尿路結石は非常に再発しやすい病気であり、5〜10年で約50%の人が再発するとされています。再発を防ぐためには以下のことをお勧めします。
1. 水分をしっかり摂る
食事以外に1日2,000mL以上の水分摂取を心がけましょう。 ただし、コーヒー・紅茶(シュウ酸が多い)やアルコール(利尿作用で脱水になりやすい)は控えて下さい。
2. 動物性タンパク質の摂り過ぎに注意
お肉などの動物性タンパク質を摂り過ぎると、尿中のカルシウムや尿酸が増加し結石ができやすくなります。 魚に含まれる脂質(EPA/DHAなど)は結石形成を抑える効果が期待できるため問題ありません。
3. シュウ酸を多く含む食品の工夫
結石の主な成分であるシュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、タケノコ、チョコレート、紅茶など)は控えめにしましょう。
- 食べ方の工夫: シュウ酸を摂る際は、カルシウムを含む食品と同時に摂取するのが効果的です。(例:ほうれん草のおひたしに「じゃこ」や「カツオ節」、紅茶に「牛乳」を入れてミルクティーにするなど)
- 理由: 腸内でシュウ酸とカルシウムが結びつくことで、便として排出され、体内に吸収されるのを防ぐことができます。
4. サプリメントでの過剰摂取を避ける
カルシウムやビタミンCをサプリメントで過剰に摂取することは、結石のリスクを高めるため避けましょう。食事から摂る分には問題ありません。
排出された結石は病院へ持参しましょう
もし排尿時にコロッとした石が排出されたら、捨てずに小さな容器や袋に保管して受診時に持参してください。 結石の成分(シュウ酸カルシウム、尿酸など)を分析することで、よりご自身の体質に合わせた具体的な再発予防指導を受けることができます。
参考文献
- 日本泌尿器科学会・日本結石症学会 編. 『尿路結石症診療ガイドライン 2023年版』 金原出版, 2023.
- 臨床泌尿器科 74巻 5号(2020年4月発行)特集:尿路結石症診療ガイドライン2023の要点.